麻雀な日々(2)

麻雀な日々(2)
麻雀屋で働く知り合いの話を聞くシリーズ第2弾です。
どうして麻雀に興味のない彼が、麻雀屋の従業員にわざわざなってしまったのかという疑問をもたれる方は多いと思うのですが、これには、少々複雑な生い立ちのストーリーもあるみたいです。
彼は幼少期から、周囲の人間と何故か、馴染めない自分の存在を感じていたそうです。それでも小学校と中学校には、無遅刻、無欠勤で通い表彰までされた、「自分で言うのも何ですが真面目で優秀な生徒ではあった」ということなのですが、高校には進学しないと強く心に決めておりました。
両親は、彼が幼い頃より離婚をして、父親とは別離していたので、母子家庭である生活を1人で背負ってくれた母親を、早くから自立して支えたいとの思いもあったのかもしれません。
中学校を卒業と同時に、町工場に働きにでようと考えていた矢先に、たまたま、平日の昼間から日々の心の疲れを癒しに立ち寄った、スーパー銭湯で、現在の麻雀屋のオーナーにスカウトされたそうです。
その時期1人で麻雀屋の店番兼、オーナーをしていた麻雀屋主人は、スーパー銭湯のサウナの中でイビキをかいて居眠りをしていました。
サウナの中で居眠りをするのは、少々、危険な事だと思った彼が、「スミマセン。おたずね致します」と、声を掛けた事が、オーナーとの出逢いのキッカケだったそうです。
目が覚めたオーナーは、あまりの暑さに驚いてサウナ室から飛び起きて出て行ってしまいました。その後、オーナーとは、スーパー銭湯の更衣室で再び再会することとなりました。美味しそうに冷たい瓶の牛乳を飲んでいたオーナーと目が合った彼は、軽く会釈をすると、オーナーはニッコリと微笑んでくれたそうです。