麻雀な日々(1)

麻雀な日々(1)

麻雀のお店で働く知り合いに話を聞いてみました。

まったくの麻雀素人だった彼が色々あって麻雀のお店でバイトすることになって、一番先に「麻雀」用語として覚えた言葉は、「満貫(マンガン)」という、雄たけびの様な叫び声だったそうです。

彼自身は、一切、麻雀をしたことがなかったらしいのですが、麻雀屋で働くようになってから、どうして世の中の人々が麻雀に徹夜をしてでも明け暮れるのか、未だに謎だらけだといいます。

本来は、麻雀屋の従業員として、メンツが揃わない時のお相手をしなくてはならないのですが、彼だけは、そのようなお役目から、どうにか免れているようです。へたに勝負に加わるとかえって場がしらけるからという理由だそうで。麻雀屋の従業員としては、お客様へのおしぼり出しや、飲み物の提供が主ですが、全自動麻雀卓の不具合の調整や、麻雀に飽きてしまったお連れさまのお話相手など、様々な接客対応が求められているみたいです。

一番の大仕事は、お客様のお食事手配になります。麻雀屋に集まる人々は、ゲームが開始されてしまうと、基本的には麻雀卓の前から動こうとしません。時々、冗談ではありますが、代わりに小便に入って来てくれと、お客様から頼まれる事もあるそうです。

彼らは、平気で1日の食事の3食を、麻雀卓の前で済ませます。ただ、食事の好みにはうるさいお客様がほとんどです。お食事といっても、高級食材が必要という訳ではなく、○○亭の醤油ラーメン、○○亭のワンタン麺、天津丼だぁ、餃子だぁと、たいがいのお客様の召し上がるものは、個々に既に決まっています。お客様の毎回の行動を覚えてしまえば、なんてことたぁない事柄なのですが、個々のお客様のしょーもない食の好みを暗記するまでは、真面目にメモを取っていたそうです。

時々、麻雀を教えてやると言って、全自動麻雀卓の傍まで、招き呼ぶお客様もいらっしゃいますが、彼としては、お客様とは、ある一定のキョリを保ちつつ自分の置かれた境遇を楽しんでいるようです。

そんな、彼から聞いたたわいもない日々を綴ってみたいと思います。

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