とある麻雀体験談

とある麻雀体験談

その方が麻雀をはじめたのは、社員旅行がきっかけでした。

社員旅行先で、卓球大会、カルタ大会、麻雀大会が開催され、それぞれに景品が、優勝チームから和牛セット、付箋セット、消しゴムと配られ、最下位のチームは、罰ゲームとして、明日の朝礼で、チームごとに一発芸をしなくてはならないというお達しがありました。

罰ゲームも1人ではなく、所属するチームにごとですので、そんなに私自身は気になりませんでしたが、優勝チームの和牛セットが、気になって気になって仕方がありませんでした。和牛セットはチームごとではなく、優勝チームに所属していた各個人に配られると聞かされたので、これは出来れば勝ちにいきたいと気合いが入ってしまいまして。

麻雀のルールも知らないその方が、勝ちたいなどと100万年早いと先輩から言われましたが、優勝の景品の和牛セットに釘付けだったそうです。

全自動麻雀卓の前に、麻雀の有識者たちが着席し、デモストレーションを数回行うというので、チームリーダーの背中越しから覗き込んで、必死に見よう見まねでやり方を覚えたのです。

麻雀の初心者も数多くいたので、その後、夕食前にある程度のレクチャーを受け、食事をしながらチームごとにルールを学び、温泉につかってから、就寝前に雀卓のある大広間に集合する事が決められていました。チームごとに対戦するので麻雀の経験者が必ず1人以上は、各チームに在籍するような人割が配置され、優勝チームには、高価な和牛セットが個人ずつに配られるという豪華な景品付きの麻雀大会でした。

麻雀大会の他には、別室で卓球大会とカルタ大会などが行われているようなのですが、私の所属するチームは、麻雀経験者の上司が在籍するという事や、私の和牛への熱意もあって、必然的に麻雀大会への参加が決まりました。

和牛セットを狙う作戦として、一番の若手である私の出番からはじまりました。作戦としては、おそらく麻雀のゲームには勝つ事は難しいであろうという素人メンバーから、試合に出させ、後半のベテランたちが、前半の素人社員の尻を拭う戦略でした。

麻雀経験者の先輩たちも、本日が人生初の麻雀であるという新人社員たちも、1人当たり軽く瓶ビールを1~3本ほどは空けていたので、だいぶノリは良くなっていましたが、優勝のチームには和牛セット、最下位になってしまうと罰ゲームが待っていたので、それなりに真剣に、ゲームに挑みました。

デモストレーションで、なんとなく麻雀ルールを理解し始めた私には、先輩の指導とは、異なる戦術でゲームを進めたくなる場面がいくつかありました。

先輩のご意見の元でありますので、反抗せずに従っていたですが、どうも勝てる気がしなくなってきました。思い切って、先輩の意見とは、別の牌を切りたいと意見してみると、「君のゲームなのだから、いいぞ、どうぞ」と、少し酔っぱらい君の先輩から、私の一存でゲームを進めるお許しが出たのです。

すると魔法のように、私は、勝ち進んでしまう展開となってしまったのです。皆にどうして素人がこんなに、麻雀が勝ち進めるのだと聞かれましたが、たぶんビギナーズラックですね。

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