とある雀荘での出来事

とある雀荘での出来事

とある雀荘には、少しばかり問題が発生しておりました。雀荘の会員様の高年齢化であります。サラリーマンたちが、その帰りに立ち寄ったのが、かつての雀荘の主なお客さんであったと聞いています。お得意様であった、バブル期の働きマンたちの高齢化が、雀荘の存続危機として悩みの種になるのではないかと、店長がお店を引き継いだ当初は感じていたのですが、そのような考えは、すぐに払拭されました。

お得様である長年の会員様たちが、新たな年齢層の会員様候補を、次々と引き連れて来店してくれるのです。これは先代の店長が、既に蒔いた種であろう事がすぐに分かりました。会員様は、口ぐちにおっしゃいます「ビジネスマンたるもの、麻雀ができなくては昇格はありえない時代に育てられた私達だからね。このお店は、これからも存続させなくては、日本の明るい未来はないよ」と、皆、口ぐちに私を励まして下さいます。

人と人の繋がりの重要さは、どこの時代にも言われていますが、雀荘を訪れるお客様の、人脈には、特別な心意気を感じていると店長はいいます。雀荘の店長として、祖母から引き継いだ年月は、まだまだ浅く、その役目としては何を道しるべにしていけば良いのか、目の前の進路状況も定まらないような状況ではありましたが、長年、お店を支えて下さっていたお客様から、先代店長の存在こそが、ここを訪れる人々の心の豊かさを生み出したのかもしれないと、知らされている気分だと。麻雀卓を囲みながら、他愛もない会話を交わす人々を、ぼんやりとながめては先代との他愛ものない日々を振り返っていたのだそうです。

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